労務ニュース スマイル新聞
2016年12月23日 金曜日
平成28年12月23日第424号
雇用保険の適用拡大(平成29年1月1日施行)
1.満65歳以上の新規雇用者の加入義務
現在、満65歳以降に新たに職業に就いた労働者は、雇用保険の加入者になる
ことはできませんでしたが、雇用保険の適用上限年齢が撤廃され、平成29年1
月1日以降満65歳以上で加入要件(週20時間以上かつ、31日以上の雇用見
込みの方)に該当する人を雇い入れる場合、雇用保険被保険者資格取得届の提
出が必要になります。また、施行日前にすでに満65歳以上の方(加入要件該当
者)は、施行日付で加入手続きが発生する可能性があります。この場合の届出期
日は特例で平成29年3月31日までとなります。ただし、この期日に遅れても
時効にならない限り加入手続きは可能です。平成28年12月末日時点で高年齢
継続被保険者である場合は、既に資格取得手続きは行われているので、届出は
不要です。なお、現在の高年齢継続被保険者とあわせ、65歳以上の被保険者
名称は「高年齢被保険者」となります。また、現在4月1日時点で満64歳以
上の雇用保険料は、現在保険料免除になっていますが、新たに被保険者となる
65歳以上の人も、平成31年3月31日までは保険料は免除になります。あ
わせて、高年齢被保険者には、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給
付金の支給対象となり、離職後、高年齢受給資格者となった場合、常用就職支
度手当、移転費、求職活動支援費も支給対象になります。
2.適用拡大の背景
厚生労働省「雇用保険部会報告」では、我が国の生産年齢人口は、既に減少局面
にあり、潜在的に人手不足のなか、65歳以上の新規求職者数、就職件数の増加、
また65歳を超える就労希望者の増加や、老後の収入に対する不安等があるとい
う背景の中、改正をした旨の報告をしています。
3.課題
(1)離職日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月必要という一般被保険者
に比べ、「6ヶ月」で高年齢求職者給付金の対象となり、計画的に離職と就職を
繰り返す循環的離職者となり、不正受給につながる認識が必要です。
(2)平成32年4月1日からは、現在保険料が免除されている人に加え、すべ
ての被保険者分、事業主分共に保険料が徴収され、会社の人員構成によれば、
新たなコスト増になります。
1.満65歳以上の新規雇用者の加入義務
現在、満65歳以降に新たに職業に就いた労働者は、雇用保険の加入者になる
ことはできませんでしたが、雇用保険の適用上限年齢が撤廃され、平成29年1
月1日以降満65歳以上で加入要件(週20時間以上かつ、31日以上の雇用見
込みの方)に該当する人を雇い入れる場合、雇用保険被保険者資格取得届の提
出が必要になります。また、施行日前にすでに満65歳以上の方(加入要件該当
者)は、施行日付で加入手続きが発生する可能性があります。この場合の届出期
日は特例で平成29年3月31日までとなります。ただし、この期日に遅れても
時効にならない限り加入手続きは可能です。平成28年12月末日時点で高年齢
継続被保険者である場合は、既に資格取得手続きは行われているので、届出は
不要です。なお、現在の高年齢継続被保険者とあわせ、65歳以上の被保険者
名称は「高年齢被保険者」となります。また、現在4月1日時点で満64歳以
上の雇用保険料は、現在保険料免除になっていますが、新たに被保険者となる
65歳以上の人も、平成31年3月31日までは保険料は免除になります。あ
わせて、高年齢被保険者には、育児休業給付金、介護休業給付金、教育訓練給
付金の支給対象となり、離職後、高年齢受給資格者となった場合、常用就職支
度手当、移転費、求職活動支援費も支給対象になります。
2.適用拡大の背景
厚生労働省「雇用保険部会報告」では、我が国の生産年齢人口は、既に減少局面
にあり、潜在的に人手不足のなか、65歳以上の新規求職者数、就職件数の増加、
また65歳を超える就労希望者の増加や、老後の収入に対する不安等があるとい
う背景の中、改正をした旨の報告をしています。
3.課題
(1)離職日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月必要という一般被保険者
に比べ、「6ヶ月」で高年齢求職者給付金の対象となり、計画的に離職と就職を
繰り返す循環的離職者となり、不正受給につながる認識が必要です。
(2)平成32年4月1日からは、現在保険料が免除されている人に加え、すべ
ての被保険者分、事業主分共に保険料が徴収され、会社の人員構成によれば、
新たなコスト増になります。
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL
2016年12月 8日 木曜日
平成28年12月8日第423号
改正された確定拠出年金法の概要と注意点について
確定拠出年金法が本年6月に改正され、個人型確定拠出年金の対象が広がり、
来年1月からは公務員や主婦も対象になります。特徴は自己責任で運用するこ
と、転職後の持運びが可能なことです。法改正された個人型を中心に確認しま
しょう。
1.確定拠出年金の特徴
(1)いわゆる3階建て部分の年金。法改正に基き、平成29年から原則誰で
も加入可能
(2)自らの責任で運用し、運用結果に応じた年金額を将来に受け取れる。
(3)税制優遇のメリットは有るが、手数料が必要であり、原則60歳まで受
取り不可能
2.確定拠出年金の概要
(1)種類
企業型と個人型があり、企業型は厚生年金適用事業所の事業主が実施者と
なり、加入者は実施事業所に使用される被用者年金被保険者で、掛金拠出は事
業主だが加入者も可能。一方、個人型は国民年金基金が実施者となり、加入者
は原則誰でも可能となり、掛金は加入者が拠出する。
(2)運営者と記録管理者
ア 掛金運営者は、運営管理機関と呼ばれ、みずほ・三井住友・ゆうちょ
銀行等
イ 記録管理は、記録関連運営管理機関と呼ばれ、加入者への各種通知等
を行う。
(3)給付
老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類で、老齢給付は掛金10年以上
で60歳から受取可能、1ヵ月以上2年未満の加入期間では65歳から受取可
能となる。ただし、70歳までに自身で申請手続きが必要で、手続きしなかっ
た場合は一時金となる。
(4)掛金額と変更について
個人型は、国民年金の第1号被保険者と60歳未満の厚生年金被保険者で、掛
金は前者が毎年6万8千円、後者は2万3千円までが拠出限度額となり、全額
が所得控除の対象となる。掛金額は毎年4月から翌年3月の間で年1回変更で
き、個人が運用商品を選択する。
(5)実施方法と注意点
運用商品は株や債券の投資信託が中心、運用商品の変更は可能。施行は公布日
の平成28年6月3日から2年以内で、公布日から2年以内に、加入者に提示
する3以上の運用方法について「内1つ以上は元本確保」という制限はなくな
る。個人型は運営管理機関から必要書類を取寄せ、受付金融機関へ申し込むこ
とから始まる。加入には手数料と口座管理料、投資信託の場合は信託報酬が必
要。途中換金は原則不可能で、60歳以降に老齢年金として受取りとなる。
確定拠出年金法が本年6月に改正され、個人型確定拠出年金の対象が広がり、
来年1月からは公務員や主婦も対象になります。特徴は自己責任で運用するこ
と、転職後の持運びが可能なことです。法改正された個人型を中心に確認しま
しょう。
1.確定拠出年金の特徴
(1)いわゆる3階建て部分の年金。法改正に基き、平成29年から原則誰で
も加入可能
(2)自らの責任で運用し、運用結果に応じた年金額を将来に受け取れる。
(3)税制優遇のメリットは有るが、手数料が必要であり、原則60歳まで受
取り不可能
2.確定拠出年金の概要
(1)種類
企業型と個人型があり、企業型は厚生年金適用事業所の事業主が実施者と
なり、加入者は実施事業所に使用される被用者年金被保険者で、掛金拠出は事
業主だが加入者も可能。一方、個人型は国民年金基金が実施者となり、加入者
は原則誰でも可能となり、掛金は加入者が拠出する。
(2)運営者と記録管理者
ア 掛金運営者は、運営管理機関と呼ばれ、みずほ・三井住友・ゆうちょ
銀行等
イ 記録管理は、記録関連運営管理機関と呼ばれ、加入者への各種通知等
を行う。
(3)給付
老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類で、老齢給付は掛金10年以上
で60歳から受取可能、1ヵ月以上2年未満の加入期間では65歳から受取可
能となる。ただし、70歳までに自身で申請手続きが必要で、手続きしなかっ
た場合は一時金となる。
(4)掛金額と変更について
個人型は、国民年金の第1号被保険者と60歳未満の厚生年金被保険者で、掛
金は前者が毎年6万8千円、後者は2万3千円までが拠出限度額となり、全額
が所得控除の対象となる。掛金額は毎年4月から翌年3月の間で年1回変更で
き、個人が運用商品を選択する。
(5)実施方法と注意点
運用商品は株や債券の投資信託が中心、運用商品の変更は可能。施行は公布日
の平成28年6月3日から2年以内で、公布日から2年以内に、加入者に提示
する3以上の運用方法について「内1つ以上は元本確保」という制限はなくな
る。個人型は運営管理機関から必要書類を取寄せ、受付金融機関へ申し込むこ
とから始まる。加入には手数料と口座管理料、投資信託の場合は信託報酬が必
要。途中換金は原則不可能で、60歳以降に老齢年金として受取りとなる。
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL