労務ニュース スマイル新聞
2015年3月13日 金曜日
平成27年3月8日第381号
労働基準法改正案を国会に提出
労働政策審議会は2月13日、厚生労働大臣に建議すべきであるとして、今後の労働時間法制のあり方について報告書をまとめました。
主な骨子案は次のとおりです。平成28年4月の施行が予定されています。
1.年次有給休暇取得促進
年次有給休暇日数が10日以上付与される労働者に対し、そのうちの5日分に
ついて、毎年時季を指定して与えることが企業に義務付けられます。
ただし、労働者が取得する場合や計画的付与により取得された場合の日数につ
いては、時季の指定は要しないとされています。これは、休みたい日に休めるメ
リットや、すでに年次有給休暇の消化に取り組んでいる企業の負担が増えない
よう配慮されています。
※年次有給休暇日数が10日未満のパートタイマー等については、対象に含まれ
ません。
2.フレックスタイム制の拡充
フレックスタイム制の清算期間の上限を現行の1ヵ月から3ヵ月に延長します。
併せて、1ヵ月当たりの労働時間が過重にならないように、1週平均50時間を超
える労働時間については、当該月における割増賃金の対象となります。
3.特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)の導入
職務の範囲が明確で、一定の年収(1千万以上)を満たす労働者が高度の専門
的知識等を必要とし、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常より高
くないとして省令で認められた業務(アナリスト、研究開発等)に従事させる場合は
労働基準法で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金の規定を適用し
ないとものとします。
この制度の導入については、健康管理上の特別な措置を要すること、必要な休
日を確保すること等様々な制約があり、対象となる労働者は限定されるように思わ
れますが、この制度をきっかけとして、成果型の労働評価や賃金体系の取り入れ
が積極的になることが考えられます。
4.中小企業における月60時間超えの時間外労働割増賃金率の適用猶予廃止
月60時間を超える時間外労働に関する割増賃金率(50%超え)について、中小
企業への猶予措置が廃止されます。こちらのみ平成31年4月1日施行予定です。
その他にも労働者の健康確保に向けた取組みや長時間労働の抑制、労働時間の設定改善等を促進する内容の改正が予定されています。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
労働政策審議会は2月13日、厚生労働大臣に建議すべきであるとして、今後の労働時間法制のあり方について報告書をまとめました。
主な骨子案は次のとおりです。平成28年4月の施行が予定されています。
1.年次有給休暇取得促進
年次有給休暇日数が10日以上付与される労働者に対し、そのうちの5日分に
ついて、毎年時季を指定して与えることが企業に義務付けられます。
ただし、労働者が取得する場合や計画的付与により取得された場合の日数につ
いては、時季の指定は要しないとされています。これは、休みたい日に休めるメ
リットや、すでに年次有給休暇の消化に取り組んでいる企業の負担が増えない
よう配慮されています。
※年次有給休暇日数が10日未満のパートタイマー等については、対象に含まれ
ません。
2.フレックスタイム制の拡充
フレックスタイム制の清算期間の上限を現行の1ヵ月から3ヵ月に延長します。
併せて、1ヵ月当たりの労働時間が過重にならないように、1週平均50時間を超
える労働時間については、当該月における割増賃金の対象となります。
3.特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)の導入
職務の範囲が明確で、一定の年収(1千万以上)を満たす労働者が高度の専門
的知識等を必要とし、従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常より高
くないとして省令で認められた業務(アナリスト、研究開発等)に従事させる場合は
労働基準法で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金の規定を適用し
ないとものとします。
この制度の導入については、健康管理上の特別な措置を要すること、必要な休
日を確保すること等様々な制約があり、対象となる労働者は限定されるように思わ
れますが、この制度をきっかけとして、成果型の労働評価や賃金体系の取り入れ
が積極的になることが考えられます。
4.中小企業における月60時間超えの時間外労働割増賃金率の適用猶予廃止
月60時間を超える時間外労働に関する割増賃金率(50%超え)について、中小
企業への猶予措置が廃止されます。こちらのみ平成31年4月1日施行予定です。
その他にも労働者の健康確保に向けた取組みや長時間労働の抑制、労働時間の設定改善等を促進する内容の改正が予定されています。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL
2015年3月13日 金曜日
平成27年2月23日第380号
「登記原因証明情報」とは
不動産の権利に関する登記を申請する場合には、原則として「登記原因を証する情報」を提供しなければならない(不動産登記法第61条)と、なっています。これを「登記原因証明情報」といいますが、その要件や内容をみていきます。
1.登記原因証明情報の意義
(1)登記申請をするためには「原因」が存在します。その「原因」の存在を登記官
が確認・審査する情報の提供を求め、登記申請の真正を担保することが目的
です。
(2)平成17年に不動産登記法が改正されるまでは、住所移転や氏名変更に伴
う登記名義人表示変更登記、真正な登記名義の回復や相続を原因とする所
有権移転登記等の場合には、初めから登記原因証書が存在しないものとして
申請書副本を添付していました。今後はこのような場合でも登記原因証明情
報を提供することになります。
2.登記原因証明情報の要件
(1)登記原因証明情報は「登記の原因となる事実又は法律行為に該当する具
体的な事実」を内容とするものでなければならないとされています。
(2)要件を満たすものであれば、処分証書(売買契約書、抵当権設定契約書
等)でも登記申請のために作成した報告形式のものでも登記原因証明情報
とすることができます。
(3)登記原因証明情報は、単一の情報に限られず、複数の情報の組み合わせ
であっても、登記原因を証するといえるものであれば足りるとされています。
ア)遺贈の場合...遺言書と戸籍の組み合わせ
イ)売買の場合...売買契約書と領収書の組み合わせ
(4)単独申請による登記や、実体法上一定の権利変動について特定の書面等
を作成して行うことが要求されているものに係る登記については、登記原因証
明情報の内容が特定の情報に限定され、又は登記原因証明情報の一部とし
て特定の情報を含むとされています。
ア)確定判決による登記...執行力のある確定判決の判決書の正本
イ)住所又は氏名の変更登記...住民票や戸籍
ウ)相続による権利移転の登記...戸籍・遺言・遺産分割協議書等
3.登記原因証明情報に記載されるべき具体的な情報
(1)登記申請情報の要項
(2)登記の原因となる事実又は法律行為
(3)作成名義人の署名又は記名押印
(スマイルグループ 不動産鑑定士)
不動産の権利に関する登記を申請する場合には、原則として「登記原因を証する情報」を提供しなければならない(不動産登記法第61条)と、なっています。これを「登記原因証明情報」といいますが、その要件や内容をみていきます。
1.登記原因証明情報の意義
(1)登記申請をするためには「原因」が存在します。その「原因」の存在を登記官
が確認・審査する情報の提供を求め、登記申請の真正を担保することが目的
です。
(2)平成17年に不動産登記法が改正されるまでは、住所移転や氏名変更に伴
う登記名義人表示変更登記、真正な登記名義の回復や相続を原因とする所
有権移転登記等の場合には、初めから登記原因証書が存在しないものとして
申請書副本を添付していました。今後はこのような場合でも登記原因証明情
報を提供することになります。
2.登記原因証明情報の要件
(1)登記原因証明情報は「登記の原因となる事実又は法律行為に該当する具
体的な事実」を内容とするものでなければならないとされています。
(2)要件を満たすものであれば、処分証書(売買契約書、抵当権設定契約書
等)でも登記申請のために作成した報告形式のものでも登記原因証明情報
とすることができます。
(3)登記原因証明情報は、単一の情報に限られず、複数の情報の組み合わせ
であっても、登記原因を証するといえるものであれば足りるとされています。
ア)遺贈の場合...遺言書と戸籍の組み合わせ
イ)売買の場合...売買契約書と領収書の組み合わせ
(4)単独申請による登記や、実体法上一定の権利変動について特定の書面等
を作成して行うことが要求されているものに係る登記については、登記原因証
明情報の内容が特定の情報に限定され、又は登記原因証明情報の一部とし
て特定の情報を含むとされています。
ア)確定判決による登記...執行力のある確定判決の判決書の正本
イ)住所又は氏名の変更登記...住民票や戸籍
ウ)相続による権利移転の登記...戸籍・遺言・遺産分割協議書等
3.登記原因証明情報に記載されるべき具体的な情報
(1)登記申請情報の要項
(2)登記の原因となる事実又は法律行為
(3)作成名義人の署名又は記名押印
(スマイルグループ 不動産鑑定士)
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL