労務ニュース スマイル新聞
2012年6月21日 木曜日
平成24年6月23日第316号
社内メンター制度
1.メンター制度
近年、メンター制度をとりいれる企業が増加しています。メンター制度とは、会
社や配属部署における上司とは別に、指導・相談 役となる先輩社員(メンター)
が、仕事の経験が足りない新入社員や中途採用者(メンティ)をサポートする制
度のことをいいます。この制度を導入する目的は様々ですが、多くの会社では
新入社員の定着化を目的としています。新入社員は壁にぶつかったり、悩みを
抱え、誰かに相談したいと考えていたりしても、直属の上司にはなかなか相談
しにくいものです。そこで、本音を真摯に聞いてもらい、アドバイスを得ることが
できるメンター制度に注目が集まっています。
2.メンター制度の長所
メンター制度を取り入れる長所は次のとおりです。
1)新入社員等(メンティ)にとって
・会社の風土や独自の制度を学び、早く馴染むことができる。
・将来への不安の解決ができる。 ・早期での戦力化が望める。
・仕事への取組み方を学び、問題解決能力や仕事に対する意欲・自主性が
生まれる。
・自己洞察力・対人関係能力が高まり、コミュニケーション能力が向上す
る。
2)先輩社員(メンター)にとって
・後輩の指導・育成を通し、マネジメント技術が向上する。
・人間関係力が強化され、人を育てる意識が向上する。
・サポートを通じて、新たな学習の機会ができ、自己成長が望める。
3)会社にとって ・新入社員の定着率が向上する。
・先輩社員のノウハウや経験の継承ができる。
・社内コミュニケーションの向上及び人間関係トラブルの回避ができる。
三方よしのメンター制度ですが、せっかく制度を取り入れても、形骸化しては
意味がありません。そのためには、メンターがメンティに対し愛情をもって接する
ことやメンターとメンティの信頼関係の構築が欠かせません。 人の成長なくし
て、企業の成長は望めません。ぜひ、御社でも人の成長を加速させるメンター
制度を取り入れてみませんか。
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL
2012年6月21日 木曜日
平成24年6月8日号第315号
吾唯知足、うん? 友人の陶芸家の個展に行くと、「口」を真ん中に「吾唯知足」こんな文字を四方 かたどった色紙が展示されていた。じっと眺めていて、やっと、「吾唯知足」と読めた。気に入ってすぐに購入してきた。どんな意味か?「吾れ、唯だ、足りるを知る」と読む。人間の欲(権力欲、金銭欲、食欲、性欲等)には際限が無い、その欲が人間の苦悩をもたらす、これは、仏教の教えである。かと言って、人間に欲が無ければ、向上心も生まれないし、努力もしなくなってしまう。その欲の過ぎるのを戒めた言葉が「知足」足りるを知るということ。
企業に当てはめるとどうであろうか
企業が、利益だけを追求して、何でも利益が出ればいいというような方針を出し事 業をしていけば、いずれ社会から制裁を受け、企業として成り立たなくなってしまう。 「CSR」( Corporate Social Responsibility)という企業の社会的責任が重要視されてきたのはこうした企業の利益だけを追求する行き過ぎを制限するためであろう。企業も「知足」が必要だということである。
ソーシャルビジネスは?
ソーシャルビジネスも流行りである。事業モデルとしては従来からあるものである。貧困、環境問題、失業問題等の社会的問題を企業という形態で解決していくというビジネスモデルである。日本の経済は、ここ20年の間に徐々に国際競争力を無くしてしまって、大手のメーカー企業は、賃金の安さを求め、台湾、韓国、タイから中国へ、中国からさらにインドネシア、ベトナム、インドへ、このまま続くと最後はアフリカなんていうことになりそう。こうした、製造業の空洞化の経済の穴を埋めるようにソーシャルビジネスが表面に出てきたように思う。ソーシャルビジネスとは言え、事業体として存続して行かなければ、所期の目的も達成できない。「社会性」という理念が先行してしまって、儲けなくて、ボランティアでいいなんて言っていると事業の継続が難しくなってしまう。「社会性」と「企業性」の狭間でソーシャルビジネスは苦労しているようである。
儲けても構わない、「唯、足りるを知」れば。そんなところに落とし所があるように思う。
(スマイルグループ 公認会計士)
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