労務ニュース スマイル新聞
2011年12月 4日 日曜日
平成23年11月23日(第302号)
外国では年金はどうなっているのだろう?
年金や消費税の改革が話題に上がっています。外国ではどうなっているのでしょうか。わが国では「国民皆健康保険・国民皆年金」が強調されています。一方、アメリカでは健康保険に入れず、医療の恩恵に浴せない人が多いと言われてきました。従って、年金も我が国の方が、高水準の年金を受け取っていると思っている人が多いと思います。しかし、本当にそうでしょうか。
1)アメリカの老齢・遺族・障害年金保険制度は、被用者や自営業者の大部分が加入する中心的な公的年金制度です。2009年において、約1億5,900万人が加入し、老齢年金の平均受給額は、月額1,159ドル、夫婦世帯で1,884ドルでした。
2)年金保険料は社会保障税として、給与から天引きが普通です。納付実績が延べ10年間に達すると受給資格を得ます。老齢年金の受給額は所得水準によって変わりますが、所得再分配機能が働くように設計されているため、低所得者に有利になっています。支給開始年齢は65歳でしたが、現在は67歳へ引き上げ途中です。
3)老齢年金受給者の平均的な給付水準は、加入期間中の平均所得の約40%です。給付水準はそれほど高くありませんが、65歳以上の世帯の89%が受給し、アメリカの高齢者の生活を支える重要な制度となっています。
4)財源の大半は、我が国の社会保険料に当たる社会保障税で賄われ、その税率は12.4%(被用者は6.2%)です。現役世代の社会保障税は退職世代の給付に充てられます。給付を上回る分は、高齢化による将来の支出増加に備えるため、社会保障信託基金に積み立てられています。しかし、現行制度では、この基金はあと25年で底をつくため、改善策が検討されています。
各国の年金制度を比較、評価したレポート(Melbourne Mercer Global Pension Index)によると、日本の年金システムはその制度を維持していくうえで心配があること、受給額の不足(国民年金についての評価と思われます)を指摘されており、総合評価は16ヵ国中13位、米国は10位でした。
一方、消費税の増税が討議されています。現在の5%という税率は諸外国と比べて、高い方ではありません。10%に上げてもまだ低い方です。しかし、先進国で生鮮食料品に10%の消費税を掛けている国はありません。ほとんどが0%です。消費税だけではなく、年金、生活保護を含めた総合国民福祉政策の確立と超党派の国民的審議が求められます。そして、国民も相応の負担を受け入れる覚悟が必要です。
年金や消費税の改革が話題に上がっています。外国ではどうなっているのでしょうか。わが国では「国民皆健康保険・国民皆年金」が強調されています。一方、アメリカでは健康保険に入れず、医療の恩恵に浴せない人が多いと言われてきました。従って、年金も我が国の方が、高水準の年金を受け取っていると思っている人が多いと思います。しかし、本当にそうでしょうか。
1)アメリカの老齢・遺族・障害年金保険制度は、被用者や自営業者の大部分が加入する中心的な公的年金制度です。2009年において、約1億5,900万人が加入し、老齢年金の平均受給額は、月額1,159ドル、夫婦世帯で1,884ドルでした。
2)年金保険料は社会保障税として、給与から天引きが普通です。納付実績が延べ10年間に達すると受給資格を得ます。老齢年金の受給額は所得水準によって変わりますが、所得再分配機能が働くように設計されているため、低所得者に有利になっています。支給開始年齢は65歳でしたが、現在は67歳へ引き上げ途中です。
3)老齢年金受給者の平均的な給付水準は、加入期間中の平均所得の約40%です。給付水準はそれほど高くありませんが、65歳以上の世帯の89%が受給し、アメリカの高齢者の生活を支える重要な制度となっています。
4)財源の大半は、我が国の社会保険料に当たる社会保障税で賄われ、その税率は12.4%(被用者は6.2%)です。現役世代の社会保障税は退職世代の給付に充てられます。給付を上回る分は、高齢化による将来の支出増加に備えるため、社会保障信託基金に積み立てられています。しかし、現行制度では、この基金はあと25年で底をつくため、改善策が検討されています。
各国の年金制度を比較、評価したレポート(Melbourne Mercer Global Pension Index)によると、日本の年金システムはその制度を維持していくうえで心配があること、受給額の不足(国民年金についての評価と思われます)を指摘されており、総合評価は16ヵ国中13位、米国は10位でした。
一方、消費税の増税が討議されています。現在の5%という税率は諸外国と比べて、高い方ではありません。10%に上げてもまだ低い方です。しかし、先進国で生鮮食料品に10%の消費税を掛けている国はありません。ほとんどが0%です。消費税だけではなく、年金、生活保護を含めた総合国民福祉政策の確立と超党派の国民的審議が求められます。そして、国民も相応の負担を受け入れる覚悟が必要です。
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL
2011年12月 4日 日曜日
平成23年11月8日(第301号)
不動産価格のあれこれと、その調査方法について
『不動産の価格』というものは、一物四価とも一物五価とも言われていて色々なものがあります。今回は代表的なものと、その調べ方についてまとめてみたいと思います。
1.実勢価格(時価)
(1)実際に不動産売買の契約が成立する時の価格で、時価又は取引価格ともいいます。
(2)国土交通省の『土地総合情報システム』(http://www.land.mlit.go.jp/webland/)で平成17年度後半からの実際の取引情報が検索することができます。
2.公示価格
(1)国土交通省の土地鑑定委員会が地域の標準的な地点を選定し、毎年1月1日時点の正常な価格を公表するもので、毎年3月下旬に公表されています。
(2)国土交通省の『土地総合情報システム』(上記参照)で昭和45年以降の検索が可能となっています。
3.基準地価
(1)都道府県知事が毎年7月1日時点の基準地の標準価格を判定するものをいいます。
(2)9月下旬に公表され、市役所等で閲覧可能ですが、国土交通省の『土地総合情報システム』(上記参照)でも検索可能です。
4.路線価
(1)国税庁が、市街地において主要道路に面した1㎡当たりの土地の評価額について、毎年1月1日現在を価格時点とし、毎年7月に公表されています。公示価格ベースの8割が目安です。
(2)国税庁では路線価図の冊子版は作成されなくなりましたが、
国税庁のHP(http://www.rosenka.nta.go.jp/)で検索可能です。
5.固定資産税路線価
(1)市区町村が、土地・建物にかかる税金(固定資産税・都市計画税)の課税のために算定するもので、土地の評価額は公示価格ベースの7割程度が目安とされ、原則3年に1度の評価替えをします。
(2)財団法人資産価値評価システム研究センターの「全国地価マップ」
(http://www.chikam.jp/)で固定資産税路線価・相続税路線価・公示価格・基準地価を検索することができます。
(3)証明書の種類としては、ア.評価証明書 イ.公課証明書 ウ.住宅用家屋証明書
エ.固定資産課税台帳(名寄帳)などがあります。
『不動産の価格』というものは、一物四価とも一物五価とも言われていて色々なものがあります。今回は代表的なものと、その調べ方についてまとめてみたいと思います。
1.実勢価格(時価)
(1)実際に不動産売買の契約が成立する時の価格で、時価又は取引価格ともいいます。
(2)国土交通省の『土地総合情報システム』(http://www.land.mlit.go.jp/webland/)で平成17年度後半からの実際の取引情報が検索することができます。
2.公示価格
(1)国土交通省の土地鑑定委員会が地域の標準的な地点を選定し、毎年1月1日時点の正常な価格を公表するもので、毎年3月下旬に公表されています。
(2)国土交通省の『土地総合情報システム』(上記参照)で昭和45年以降の検索が可能となっています。
3.基準地価
(1)都道府県知事が毎年7月1日時点の基準地の標準価格を判定するものをいいます。
(2)9月下旬に公表され、市役所等で閲覧可能ですが、国土交通省の『土地総合情報システム』(上記参照)でも検索可能です。
4.路線価
(1)国税庁が、市街地において主要道路に面した1㎡当たりの土地の評価額について、毎年1月1日現在を価格時点とし、毎年7月に公表されています。公示価格ベースの8割が目安です。
(2)国税庁では路線価図の冊子版は作成されなくなりましたが、
国税庁のHP(http://www.rosenka.nta.go.jp/)で検索可能です。
5.固定資産税路線価
(1)市区町村が、土地・建物にかかる税金(固定資産税・都市計画税)の課税のために算定するもので、土地の評価額は公示価格ベースの7割程度が目安とされ、原則3年に1度の評価替えをします。
(2)財団法人資産価値評価システム研究センターの「全国地価マップ」
(http://www.chikam.jp/)で固定資産税路線価・相続税路線価・公示価格・基準地価を検索することができます。
(3)証明書の種類としては、ア.評価証明書 イ.公課証明書 ウ.住宅用家屋証明書
エ.固定資産課税台帳(名寄帳)などがあります。
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