労務ニュース スマイル新聞

2010年3月 8日 月曜日

平成22年3月8日(第261号)...平成22年度税制改正大綱について

昨年12月に平成22年度の税制改正大綱が発表されましたが、相続税関係として以前から法改正を懸念する声がある小規模宅地等の課税の特例については、次の点について適用要件が厳格化されています。

1.相続人等が居住又は事業を継続しない宅地等についての軽減措置を廃止する
相続人が事業や居住を継続しない場合にも現行では200㎡まで50%減額の特例がありますが、事業用・居住用ともに、相続人が居住や事業を継続しない場合にはこの軽減措置は廃止するとされています。

2.一の宅地等について共同相続があった場合には、取得した者ごとに適用要件を判定する
現行では、例えば、80%軽減の要件を満たす配偶者と満たさない子が一の宅地等を共同相続して共有した場合、居住をしない子にも80%軽減が適用されていますが、取得者ごとに適用要件を判定するとされています。

3.一棟の建物の敷地のうちに特定居住用宅地等とそれ以外の用途の宅地等がある場合には、用途ごとに按分計算する
宅地の上に存する一棟の建物のうちに、例えば、居住用と貸付用がある場合、現行では特定居住用宅地等があれば全体の敷地が80%減額となっていますが、これを用途ごとに按分して適用要件を判定するとされています。

4.特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた一の宅地等に限ることを明確化する
特定居住用宅地等を「主として居住の用に供している土地等」には限定されないと解釈、つまり限度面積以下なら複数の土地等でも適用が可能という判決が平成21年2月4日に福岡高等裁判所において出されました。これを受け、「被相続人等が居住の用に供していた宅地等」が複数存在する場合には、「被相続人等が主として居住の用に供していた一の宅地等」が本特例の適用対象であることを明確化するとされています。

(スマイルグループ 不動産鑑定士)

投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL

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