労務ニュース スマイル新聞

2009年1月23日 金曜日

平成21年1月23日(第234号)...中小企業緊急雇用安定助成金



米国発のサブプライムローンによる金融バブルの崩壊から始まった世界同時不況、また商品市場(原材料)の高騰を受け、企業経営はますます厳しくなってきています。それに伴い、派遣切り等の雇用調整に関するニュースをご覧になる機会が多いかと思います。派遣や契約社員は、期間の終了時に再度延長を申し込まなければある程度の人員調整が可能です。(※法的に争いのある部分ではあります。)しかし、正社員を簡単に雇用調整して解雇することは法的に非常に難しく、様々な条件をクリアーしていないと裁判等の争いで負けてしまいます。
 中小企業においては、派遣や契約社員より正社員をたくさん雇用されていると思います。したがって、ニュース等を賑わせている派遣切り等の雇用調整は取れませんし、正社員を簡単に解雇するわけにもいきません。そこで選択肢にあがってくるのが、従業員を休業させ休業手当を支払うというものです。休業手当は平均賃金の6割以上支払う必要がありますが、従業員を職場で遊ばせておくよりは安くつきます。しかし売り上げもないのに休業手当ですら企業にとって負担であると思います。そこで従来から、一定の要件を満たしている企業には、休業手当に関する雇用調整助成金という雇用保険が原資の助成制度がありました。しかし、従来の助成金では急激な景気悪化の状況に対応しきれないため、緊急措置として平成20年12月から当面の間、中小企業緊急雇用安定助成金という助成金が支給される事となりました。これは従来の受給要件を緩和し、受給額を増額するというものです。もし、雇用調整等をお考えの企業経営者様がおられましたら、是非この助成金も選択肢の一つに加えて検討してみてください。

<主な受給要件>
1. (1)最近3ヵ月の生産量がその直近の3ヵ月又は前年同期に比べて減少している
(2)前期決算等経常利益が赤字である(生産量が5%以上減少している場合は不問)2.従業員の全一日の休業または事業所全員一斉短時間休業をおこなうこと
3.2.または3ヵ月以上1年以内の出向を行うこと

<受給額>
~休業等の場合~
・休業手当相当額の4/5(上限あり)
・支給限度日数は3年間で200日(最初の1年間は100日まで)
・教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日6000円を加算
~出向の場合~
・出向元で負担した賃金の4/5

最寄のハローワークにお問い合わせください。  (スマイルグループ 社会保険労務士)

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2009年1月 8日 木曜日

平成21年1月8日(第233号)...募集・採用における個人情報の取扱い

個人情報・履歴書等の取扱いについては、平成17年4月全面施行の個人情報保護法に基づき、留意が必要です。労働者の募集・採用時などに関しての注意点をあげてみました。
個人情報保護法に基づく規制
1.個人情報保護法に基づき、使用者は、応募者(労働者)の個人情報を取り扱うに際して、その利用目的を特定しなければなりません。利用目的を特定するにあたっては、厚生労働省からの指針の一部は次の表現をご参考にしてください。
・雇用契約の締結の際にご記入いただいたご家族等の氏名、住所、電話番号は、ご本人が万一のことがあった際の緊急連絡先としてのみ使用させて頂きます。
   ・当適性検査の結果は、今後、社内における人員配置を検討する際の資料としてのみ利用させて頂きます。
   ・人事労務管理にかかわる諸手続(年金・労働保険等)を行う際に、当社人事課職員がその目的に限って使用いたします。
  2.応募者(労働者)から個人情報を取得するにあたっては、使用者は利用目的の明示または通知もしくは公表を行わなければなりません。
  3.個人情報保護法では、個人情報の取得手段についても、不正の手段により取得された個人情報は、本人の権利利益を侵害するおそれが高いことから、「偽りその他の不正の手段」を用いることが禁止されています。
中途採用に際しての元勤務先からの情報収集
 募集・採用段階の情報収集において、元勤務先企業への照会は「第三者からの間接収集」に該当します。その照会自体について本人から事前同意を得る必要があります。
 照会を受けた元勤務先企業は、応募者(元従業員)の情報を提供することは、個人情報保護法23条の「第三者への情報提供」に該当し、同16条の「利用目的による制限」に抵触することから、本人から事前同意を得ない限り、情報提供を行うことは許されません。よって、照会への回答に伴う元勤務先企業の法的責任を免れるためには、「第三者への情報提供」等についても、事前に同意を得ておく必要があるといえます。
不採用者の個人情報の取扱い
不採用者の個人情報の取扱いについては、個人情報保護法は具体的義務を課していません。職業安定法5条の4に関する指針に従って、原則として、法令上保管義務のある情報を除き、速やかに返却または破棄・削除を適切かつ確実に行うべきでしょう。
(スマイルグループ 社会保険労務士) 

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