労務ニュース スマイル新聞
2007年4月23日 月曜日
平成19年4月23日(第192号)...企業の子育て支援に係る特例
平成19年度の税制改正で、子育て・再チャレンジ支援税制の1つとして、「企業の子育て支援に係る特例」ができました。
適用対象の法人が、一定の方法によって事業所内託児施設を設置した場合には、その託児施
設の設備等に関して割増償却を認めて、税制面から子育てを支援するものです。
対象者:青色申告書を提出する法人で、次世代育成支援対策推進法の規定に基づき同法に規
定する一般事業主行動計画(託児施設の設置及び運営に関する事項が定められているも
のに限る。)を厚生労働大臣に届け出ているもの(同法の中小事業主以外の一般事業主
にあっては、一定の要件を満たすものに限る。)
適用要件:平成19年4月1日から平成21年3月31日までの間に当該一般事業主行動計
画に従って託児施設の取得等をし、かつ、適用事業年度終了の日において当該託児施設
が事業所内託児施設(注)に該当するものとして証明がされた場合には、当該託児施設
及びこれと同時に設置する遊戯具その他の一定の器具備品については、5年間、普通償
却限度額の100分の20(中小事業主については、100分の30)の割増償却がで
きることとする。
(注)事業所内託児施設の要件
定員が10人以上(中小企業にあっては、6人以上)で、託児施設の利用者の半数以上
が、託児施設設置企業の従業員の子であること。
子育て支援について事業主の方に支給される「育児・介護雇用安定等助成金(両立支援レベルアップ助成金・ベビーシッター費用等補助コース)」というのもあります。
労働者が育児・介護サービスを利用する際に、その費用の全部又は一部を補助する措置に関
する制度を設け、その制度に基づき費用を補助した事業主及び育児・介護サービスの提供を行う者と契約し、当該サービスを労働者の利用に供する措置を実施する事業主に対して支給されます。これにより、育児や介護を行う労働者の雇用継続を図ることを目的としています。
受給できる額: 中小企業の事業主が負担した額の2分の1に相当する額
中小企業事業主以外の事業主が負担した額の3分の1に相当する額
支給期間 : 当該措置の実施を開始した日から起算して5年が限度
また、一般事業主行動計画の策定・届出をした場合には初年度に30万~40万円が支給されます。
(スマイルグループ 税務担当)
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2007年4月 8日 日曜日
平成19年4月8日(第191号)...裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)について
ADRとは?
ADR法の施行に伴い「かいけつサポート」という愛称とロゴマークが制定されました。トラブルの解決をサポートするサービスであることをわかりやすく表したとのことです。
「裁判外紛争解決手続き」はADR(Alternative Dispute Solution)とも呼ばれますが、仲裁、調停、あっせんなどの、裁判によらない紛争解決方法を広く指すものです。例えば、裁判所において行われている民事調停や家事調停もこれに含まれますし、行政機関(例えば労働局、建設工事紛争審査会、公害等調整委員会など)が行う仲裁、調停、あっせんの手続や、弁護士会、社団法人その他の民間団体が行うこれらの手続もすべて裁判外紛争解決手続に含まれます。
ADR機関はわが国でも交通事故、建築、個別労働関係などの個別の分野や、弁護士会が設立している仲裁センターなどがありましたが、今年4月1日から施行されたADR法によって、ADRの範囲を拡大して、利用しやすくするための制度が導入されました。
弁護士又は弁護士法人でなくても、法務大臣の認証を受けた「認証紛争解決事業者」は、報酬を得て和解の仲介の業務を行うことができるようになりました。
認証紛争解決事業者とは?
認定司法書士、弁理士、特定社会保険労務士、土地家屋調査士には一定の範囲で、単独又は弁護士と共同で和解の仲介を行うことができるようになりましたので、個別或いは団体で法務大臣の認証を受けたADR機関が新しく誕生してくることになります。
認証紛争解決事業者は
(1)認証業務であることを独占して表示することができます。
(2)認証紛争解決事業者は弁護士又は弁護士法人でなくても、報酬を得て和解の仲介の業務を行うことができます。
(3)認証紛争解決事業者の行う和解の仲介の手続における請求により、時効を中断させることができます。
(4)認証紛争解決事業者の行う和解の仲介の手続と訴訟が並行している場合に、裁判所の判断により訴訟手続を中止することができます。
一方、認証紛争解決事業者は、業務の内容や実施方法に関する一定の時効を事務所に掲示することや、利用者に対して実施者に関することは手続の進め方を書面で説明することなどが義務付けられます。
当事務所も特定社会保険労務士として、あっせん等のADRにかかわることができます。ぜひご利用ください。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
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2007年4月 1日 日曜日
平成19年4月1日(臨時号)...小売等役務商標制度のお知らせ
商標法の一部が改正され、小売業等も平成19年4月1日から役務商標登録が新たに認められました。4月1日から小売等役務に関する商標登録の出願の受付が開始されています。(平成19年4月1日~6月30日までは同時出願の特例があります。)
今回、導入された役務商標とは、小売業者等が使用する商標について、事業者の利便性向上や国際的制度調和のため、保護される制度です。
たとえば、店名を既に商標登録している場合でも、役務商標の分類でない場合は、役務商標も必ず登録しておく必要があります。
何故なら、店名が役務商標の分類で登録されていなくても商標登録さえされていれば他人は役務商標登録をできませんが、この場合店名は商標としては使用されていないこととなり、不使用取消請求され、その後その他人に商標及び役務商標を奪われてしまうからです。
ただ、商標の登録日付より先にこちらが使用している場合には、先使用権が認められ継続使用できますが、それはあくまでも登録日前の使用部分に限られ登録日以後の使用部分の拡大は商標権侵害となります。つまり、その商標を使っての新規出店や代理店の出店等拡大展開ができなくなります。
商標登録の防衛策
商標登録出願も不使用取消請求も特許庁に申請してみないことには分からない状況です。
何故なら商標登録出願が拒絶されても、拒絶理由を論破できれば登録されてしまうからです。そのためにも、商標は使用・不使用に関係なく登録できるので、現在は使用していなくても新規出店や商品名については、候補名をより多く登録しておくと安心でしょう。
なお、現在使用中のネーミング等について、商標権違反(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、法人の場合は1億5千万円以下の罰金)にならないように、同じ又は類似の登録商標を調査しておく必要があります。
商標登録等については、特許庁のホームページ(http://www.jpo.go.jp/)も参考としてください。
(スマイルグループ 企業存続担当者)
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