労務ニュース スマイル新聞
2006年4月28日 金曜日
平成18年4月28日(第168号)...<同族会社の留保金課税>
平成18年4月1日以後開始事業年度から適用される改正です。
同族会社の留保金課税とは、同族会社が内部留保した金額に対して、追加的に
一定の税率(10%、15%、20%)によって課税される制度です。
○ 留保金課税の仕組み
所得等-(配当等+法人税等)-留保控除額=課税留保金額
課税留保金額×特別税率=留保金課税額
○ 対象法人⇒要件の緩和
<改正前>
同族関係者上位3グループで株式等50%超を保有する法人
<改正後>
同族関係者上位1グループで株式等50%超を保有する法人
○ 留保控除額⇒控除額の増加
<改正前>(1)から(3)の最も多い額
(1)所得基準 :所得等×35%
(2)定額基準 :1,500万円
(3)積立金基準:資本金×25%-利益積立金
<改正後>(1)から(4)の最も多い額
(1)所得基準 :所得等×40%(中小企業は50%)
(2)定額基準 :2,000万円
(3)積立金基準:資本金×25%-利益積立金
(4)自己資本比率基準(中小企業のみ)
自己資本比率が30%に達するまでの額
○ 不適用措置⇒不適用措置の引き締め
<改正前>
(1)設立後10年以内の中小企業者
(2)中小企業新事業活動促進法の経営革新計画承認企業
(3)自己資本比率が50%以下の中小企業
<改正後>
中小企業新事業活動促進法の経営革新計画承認企業
投稿者 イケダ労務管理事務所 | 記事URL
2006年4月 8日 土曜日
平成18年4月8日(第167号)...労 働 審 判 制 度
つい先日、4月1日から発足した労働審判制度をご紹介しましょう。
1.労働審判制度の概要
裁判官と労使の専門家で構成する労働審判委員会が、個別労働関係の民事紛争について、
地方裁判所において、事実関係の審理をしつつ、調停で事件の解決を試みます。
解決しなければ、当事者間の権利関係を踏まえながら事件の実情に即した解決案を審判として提示します。出された調停案に両者が同意すれば確定し、異議があれば訴訟に移行することになります。審議は3回以内とされています。
2. 労審判制度の特色
(1)合議体に労使の専門家が参加します
2
(2)簡易迅速を旨とする
原則として3回以内で審理を終結します。書類は最初に提出し、裁判所での審理は口頭
で行ないます。1回の所要時間は30分から90分程度と想定されています。
申し立てから3~4ヵ月程度で審判が出されます。
(3)柔軟性
当事者間の権利義務関係を踏まえつつ、事案の実情に即した解決をするために必要な審
判がなされます。オール・オア・ナッシングではなく、労使のバランスを配慮した解決を図ることができます。
(4)実効性
調停機能だけでなく、司法判断としての労働審判という判定機能を併せ持っています。
確定すると、強制力を持つことになります。労働局の調停などにおいては、どちらが是か非かということは二の次になりますが、審判では是か非かが示されます。
(5)経済的
裁判よりもずっと安い費用で解決できます。
3.労働審判の対象
(1)個別労働関係紛争
募集・採用、集団的労使紛争などは対象外です。
(2)労働者と事業主の間の紛争
労働者個人間の紛争は対象外です。
(3)民事に関する紛争
公務員の任用、利益に関する紛争、行政訴訟などは対象外です。
今後、裁判外紛争解決手段(ADR)の一つとして、利用が多くなると予想されます。
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