労務ニュース スマイル新聞
2005年11月23日 水曜日
平成17年11月23日(第158号)...~平成17年7月1日 都道府県地価調査の実施状況~
国土交通省はこのほど、全国の都道府県地価調査結果(基準地価)を発表しました。価格の判定は不動産鑑定士の鑑定評価を求め、これに基づいて都道府県知事が正常価格の判定を行ったものです。全国の対前年平均変動率を用途別にみると、住宅地△ 3.8%、商業地△ 5.0%、準工業地△ 5.2%、工業地△ 5.7%となっています。全国平均で見ると地価は引き続き下落していますが、住宅地、商業地とも下落幅は縮小しており、利便性・収益性等の状況による地価の個別化傾向もみられます。大阪圏の概況については以下の通りです。
大阪圏の概況
大阪圏の対前年平均変動率を用途別にみると、住宅地△ 3.7%、商業地△ 3.3%、準工業地△ 4.4%、工業地△ 6.0%、となっています。
1.住宅地
都心部やこれに近接する地域では、需要側の値頃感等から、利便性の高さによりマンション需要の旺盛な地域、住環境に優れている伝統的な高級住宅地、都市再生の取組みや交通基盤整備に伴い利便性が高まった地域等で多くの上昇地点が見られます。郊外部では、利便性が高く住環境に優れた地域で上昇や横ばいに転じた地点が見られます。反面、通勤遠隔地では、交通利便性が劣ることにより下落幅が大きい地点が依然として見られますが、その数は減少しています。
2.商業地
利便性が高く、均整のとれた街並みであることに由来して旧来より高度に商業業務機能が集積し、繁華性の高い地区、都市再生の取組みや交通基盤整備、大型商業施設の進出等に伴い利便性や集客力の高まった地区等においては、多くの上昇地点が見られます。近隣の中核的大規模商業施設の撤退や郊外型量販店の進出等の影響で集客力が低下した地域の中心商業地や近隣商業地では、下落幅が大きい地点が依然として見られますが、その数は減少しています。
このように、今回の基準地価においては、平成17年地価公示(平成17年1月1日)で見られた地価動向の変化がより鮮明になりました。その背景として、景気が底堅く推移する中で、1)大都市の中心部にあっては、収益型不動産に対する投資の活発化や需要側の値頃感による都心回帰指向から、利便性や環境の優れた地域における店舗や事務所、マンション等の需要が増加したこと、2)大都市の中心部以外の地域にあっては、市街地整備や鉄道などの交通基盤整備等に伴い、利便性の向上や優れた住環境が顕著となった地域等において住宅の需要等が堅調であったこと、等が挙げられます。3)一方で、利便性・収益性の相違や個別の地点の置かれた状況による地価の個別化(二極化)傾向も見られます。
(スマイルグループ 不動産鑑定士)
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2005年11月 8日 火曜日
平成17年11月8日(第157号)...営業秘密の保護強化-不正競争防止法改正の概要-
営業秘密の侵害行為や模倣品・海賊版によるブランド価値等の侵害行為に対する措置を拡充し、適正な競争環境を維持するために不正競争防止法が改正されました。
◆改正のポイント:営業秘密の保護強化 平成17年改正 平成17年11月1日から施行
○営業秘密の国外使用・開示処罰の導入
日本国内で管理されている営業秘密について、日本国外で使用又は開示した者を処罰の対象
営業秘密が関係する民事訴訟における裁判所の秘密保持命令に日本国外で違反した者も処罰の対象
○退職者の処罰の導入
元役員・元従業員による媒体取得・複製を伴わない営業秘密の不正使用・開示について、在職中に申込や請託があるようなケースも処罰の対象
◆営業秘密とは?
不正競争防止法では、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」とされており、例えば、アクセス者を限定して保管されている設計図や顧客名簿、販売マニュアル等で一般的に入手できないものをいいます。
◆営業秘密として保護されるためには?
①秘密管理性②有用性③非公知性の3つの要件を満たさなければ、誰かが無断で利用しても不正競争行為として差し止めたり、損害賠償請求することはできません。
秘密管理性とは、アクセスできる者を制限したり、秘密情報である旨の表示(例えば、㊙と書類に表示する等)をしたりすることにより、情報が客観的に秘密として管理されていると認められている状態にあると言えますから、企業としては、個人情報保護と同様の物理的技術的管理・人的法的管理措置を講じる必要があります。
◆罰則の見直し・法人処罰の導入
不正競争防止法違反の罪について、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金から、原則として、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に引き上げるとともに、懲役刑と罰金刑の併科規定を導入
営業秘密にアクセスする権限がない者が行った営業秘密侵害罪の犯人の属する法人について、法人処罰(1億5,000万円以下の罰金)を導入。企業としては、管理体制を強化し注意義務を尽くす必要があります。したがって、中途採用者などを採用する企業は、十分注意が必要です。
営業秘密に関する物理的技術的管理・人的法的管理については、お気軽にお問い合わせください。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
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