労務ニュース スマイル新聞

2004年5月23日 日曜日

平成16年5月23日(第122号)...土壌汚染対策法について



土壌汚染とは
 土壌汚染対策法は2003年2月に施行されましたが、土地が鉛や砒素(ひそ)などの重金属やエチレン(ドライクリーニングや金属製品の洗浄に使う。)などの揮発性有機化合物が土壌中に蓄積された状態をいいます。地中に埋った産業廃棄物によっても汚染されることがあります。土壌汚染が発覚した土地は浄化対策を行わない場合、土地の資産価値を著しく下落させる事態を招き、対策を行う場合でも費用が高額となるケースがあり、地価の低い地域によっては土地価格がマイナスになることもあります。
土壌汚染の心理的嫌悪(スティグマ)減価率は20~30%
 某機関が某市の居住者を対象に実施した「土壌汚染に対する市民の意識調査」によると、過去に土壌汚染が存在したが、現在は浄化された土地(不動産)の購入について、回答者の65%が「汚染の事実がある以上購入しない」と答えており、22%が「いわゆるスティグマ分の減価があれば購入する」と回答、「何とも思わない」という回答は6%しかありませんでした。また、スティグマ分の減価率に関しては、20%と30%の回答が多く、次に50%で、このことは賃貸借の場合でもほぼ同様の結果となっています。2000年の出来事ですが、大阪府豊中市で某大手不動産会社が分譲中のマンション建設現場において発覚した土壌汚染が、予想以上に近隣住民からの反響が大きく、7割がた完成していたマンションを取り壊して更地に戻した事がありました。
所有不動産のリスク管理
リスク管理としては、 1.リスク分析に基づき、地下タンクや配管の更新計画などの土壌汚染防止計画を策定する。 2.汚染の早期発見により、地下タンクの内容量の在庫管理の徹底など汚染範囲の局所化を図る。 3.汚染発覚時の対応方法(危機管理プログラム)を策定する。 4.ボイラーの燃料タンク、ガソリンスタンド、運送業等の給油施設、タンクが地上で地下配管のケース等、特に注意が必要です。(工場を除く)
土壌汚染と鑑定評価
新不動産鑑定評価基準の改正点のひとつに土壌汚染が価格形成要因として追加されました。不動産鑑定士は公的資料調査、登記簿・見聞等による地歴調査を行い、土壌汚染の有無及びそれと不動産の価格との関連について検討、考察を行っております。
(スマイルグループ 不動産鑑定士)

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2004年5月 8日 土曜日

平成16年5月8日(第121号)...~エンジェル税制~

経済産業省は3月31日、エンジェル税制の利用件数がこれまでの年平均47.7件から平成15年度1年間で748件と15.7倍に大幅に増えたことを明らかにしました。エンジェル税制とは、個人投資家がベンチャー企業に投資する際に受けられる税制上の優遇措置であります。
<制度の概要>
エンジェル税制とは、その対象となる特定中小会社の発行した株式(以下、特定株式)について、(1)投資時点、(2)株式公開前の期間、(3)株式公開後においての譲渡所得の課税の特例のことです。
(1)投資時点・・・投資金額の控除の特例
特定中小会社に払込による投資を行ったとき、投資した年度の他の株式譲渡益から投資額を控除できる規定です。
(2)株式公開前の期間
価値喪失株式の損失の金額の特例・・・特定中小会社の解散等により、特定株式の価値が喪失した場合、一定の要件のもとに、譲渡損失とみなして、他の株式譲渡益との損益通算や損失の繰越控除を受けられる特例です。
譲渡損失の繰越控除の特例・・・特定株式について生じた譲渡損失について、一定の要件のもとに3年間の繰越控除が受けられる特例です。
(3)株式公開後※・・・特定株式に係る譲渡所得等の課税の特例
一定の要件を満たす、特定株式の譲渡益については、その金額を1/2に圧縮できる特例です。※一定の場合は、未公開の段階でも可。

エンジェル税制については16年度税制改正においても、証券会社や投資ファンドを通じた場合、投資先企業に係る適用要件のうち、試験研究や事業化に係る費用を一定以上支出することや外部資本が1/6以上などの要件が免除されたこと、また、未公開段階でのM&Aなどによる株式譲渡益の圧縮特例の適用など、要件手続きが大幅に緩和されています。 

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