労務ニュース スマイル新聞

2019年5月23日 木曜日

令和元年5月23日第482号

特定技能外国人


1.新たな在留資格「特定技能」
 平成30年12月14日に、在留資格「特定技能」の創設等を目的とした「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が公布され、平成31年4月1日から、特定技能外国人の受入れが開始されることになりました。
 これまで就労が認められてきた在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」などの専門的・技術的分野と「技能実習」という非専門的・非技術的分野でした。ただ、専門的・技術的分野では学歴や実務経験が求められており、人材が限られていました。非専門的・非技術的分野の技能実習は本来の目的が日本の技術を移転して発展途上国の経済発展を助けることにあり、労働力の需給を調整するものではありませんでした。
 そこで、日本国内で人材不足が顕著な業種を対象に、一定の技能をもった人材を対象としたのが新たに創設された「特定技能」という在留資格です。
2.対象業種
 「特定技能」には「特定技能1号」と「特定技能2号」があり、前者は特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものをいい、介護業や外食業など、人材が顕著に不足している特定産業分野に指定されている14業種が対象となっています。後者は建設業と造船・舶用工業の2業種が対象となっています。今後は特定技能1号の在留資格が増えるものと見込まれます。
 特定技能の在留資格を取得するには、特定技能評価試験に合格するか、技能実習2号を修了することが必要となります。特定技能評価試験は、「技能水準」と「日本語能力水準」の試験に合格する必要があります。試験は業種ごとに順次行われる予定です。
3.導入手続
 特定技能外国人を受け入れるために雇用する事業者は、支援計画を作成し、申請の際に出入国在留管理庁に提出することになります。これらを自社で行えない場合、一定の基準を満たした登録支援機関に支援を委託することができます。
 また特定技能外国人を自ら探せない場合には、職業紹介事業の許可を取得した事業者から紹介を受けることが必要となります。今後は登録支援機関が職業紹介の許可を取得し、または、職業紹介事業者が登録支援機関の申請登録を行い、ワンストップで特定技能外国人のサポートを行うことが考えられ、利便性が向上する可能性があります。
 人材不足に悩む事業者には朗報ですが、そこにつけこんだ悪質なブローカーなどが仲介する可能性もあるので、導入する際には注意が必要です。


投稿者 イケダ労務管理事務所

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