労務ニュース スマイル新聞

2015年10月 1日 木曜日

平成27年8月23日第392号

就業規則見直し~無期労働契約への転換と定年

1.無期労働契約への転換
 平成24年に「労働契約法」が改正され、パート、アルバイト、契約社員、嘱託、派遣社員など雇用期間の定めのある「有期労働契約」の社員を保護する取扱いが創設されました。有期労働契約が繰り返し更新された場合に、雇用期間が通算5年を超え、労働者側から無期契約を希望した場合には、無期労働契約(期間の定めのない契約)に転換されることになりました。この「労働契約法」の改正により「就業規則の見直し」が必要になる場合がありますので、その注意点についてご説明します。

2.定年を定める必要性
 これまで、有期労働契約者は期間が満了すれば退職となり、「定年」を定めておく必要がありませんでした。しかし、今回の改正により、無期労働契約に転換した場合には、「定年」がない限り、原則として雇い続ける必要があります。つまり、「正社員就業規則(無期労働契約)」、「非常勤社員就業規則(有期労働契約)」など、別々の「就業規則」を作成している場合には、「非常勤社員就業規則」にも、無期労働契約に転換した場合に備えた「定年」の定めをしてください。

3.具体的な対策
 具体的には、有期労働契約者の就業規則にも、「無期労働契約へ転換した社員の定年は、満60歳とし、定年の達した日の属する月の末日をもって退職とする」など「定年」の定めを明記をしてください。しかし、さらに、60歳以降も有期労働契約を続けていた方が、その後に無期労働契約への転換を希望された場合、終身雇用となってしまう可能性も考えられますので、「雇用契約は最長でも、65歳まで」など第2の「定年」を定め、かつ、定年後は無期転換申込権を行使できないとする無期転換ルールの特例を利用するなどの対策が効果的です。上記の無期転換ルールの特例を利用する場合、管轄都道府県労働局に計画認定・変更申請書の提出を要します。
 その他、有期労働契約の労働者にも無期労働契約者となった場合には、有期労働契約者に対しては規定されていなかった職種変更や、配置転換および賞罰などの適用があることも周知する必要があります。
 

(スマイルグループ 弁護士)


投稿者 イケダ労務管理事務所

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