労務ニュース スマイル新聞
2014年5月 8日 木曜日
平成26年5月8日第361号
給与明細書
労働相談における労働者側の事例として「会社から給与明細書が貰えない」と言う相談がよくあります。今回は給与明細書の法的根拠に触れてみたいと思います。
1.労基法上の根拠
労基法上には定めが無く、行政通達(平成10年9月10日基発530号)により『使用者は、口座振込などの対象となっている個々の労働者に対し、所定の賃金支払日に、次に掲げる金額等を記載した賃金の支払いに関する計算書を交付すること』とされています。
(1)基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
(2)源泉徴収税額、社会保険料額等の控除額
(3)口座振込等を行った金額
※この通達は、「口座振込における通達」ですが、多くの会社が給与を口座振込みによって支給していることから、現金支給の場合も準用されるものと思われます。
尚、通達は法律ではありません。
2.各労働・社会保険法上の根拠
労働・社会保険料の各制度をみると、次の各々の法の条文によりそれぞれ保険料を控除する際、明細書の発行が義務付けられています。
(1)雇用保険料の控除-労働保険の保険料に関する法律第31条第
1項
(2)健康保険料の控除-健康保険法第167条第3項
(3)厚生年金保険料の控除-厚生年金保険法第84条第3項
また、所得税法第231条では、給与を支払う者は支払いを受ける者に支払明細書を交付しなければならないと定められています。
以上のごとく、労基法上では法的な根拠がなく行政通達ですので、給与明細書の発行について労働基準監督署へ相談をしても、監督署は「助言」はできても法的に罰することはできません。しかし、各法制度の中で保険料等の控除額を記載した明細書の発行が義務付けられています。
民事上のトラブルがあった場合、困るのは使用者側であり、給与明細書を発行する方が無難なのは当然です。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
労働相談における労働者側の事例として「会社から給与明細書が貰えない」と言う相談がよくあります。今回は給与明細書の法的根拠に触れてみたいと思います。
1.労基法上の根拠
労基法上には定めが無く、行政通達(平成10年9月10日基発530号)により『使用者は、口座振込などの対象となっている個々の労働者に対し、所定の賃金支払日に、次に掲げる金額等を記載した賃金の支払いに関する計算書を交付すること』とされています。
(1)基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
(2)源泉徴収税額、社会保険料額等の控除額
(3)口座振込等を行った金額
※この通達は、「口座振込における通達」ですが、多くの会社が給与を口座振込みによって支給していることから、現金支給の場合も準用されるものと思われます。
尚、通達は法律ではありません。
2.各労働・社会保険法上の根拠
労働・社会保険料の各制度をみると、次の各々の法の条文によりそれぞれ保険料を控除する際、明細書の発行が義務付けられています。
(1)雇用保険料の控除-労働保険の保険料に関する法律第31条第
1項
(2)健康保険料の控除-健康保険法第167条第3項
(3)厚生年金保険料の控除-厚生年金保険法第84条第3項
また、所得税法第231条では、給与を支払う者は支払いを受ける者に支払明細書を交付しなければならないと定められています。
以上のごとく、労基法上では法的な根拠がなく行政通達ですので、給与明細書の発行について労働基準監督署へ相談をしても、監督署は「助言」はできても法的に罰することはできません。しかし、各法制度の中で保険料等の控除額を記載した明細書の発行が義務付けられています。
民事上のトラブルがあった場合、困るのは使用者側であり、給与明細書を発行する方が無難なのは当然です。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
投稿者 イケダ労務管理事務所