労務ニュース スマイル新聞
2013年12月16日 月曜日
平成25年10月23日第348号
欠勤時の通勤手当の取り扱い
通勤手当は、法律で支給が定められているわけではありませんが、通勤手当の支給が労働条件として定められていれば、実費弁償的に算定される出張の旅費等とは異なり、労働の対償として支払われる労働基準法上の賃金となります。したがって、支給条件が定められた通勤手当を、会社が一方的に労働者の不利益となる条件に変更することは、原則として許されません。また、個人ごとの支給に当たっては、通勤しなかった日の取り扱いにも注意を要します。
労働契約法第8条には「労働者と使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することが出来る。」とあります。しかし、その一方、労働契約法第10条で定める例外を除いて、使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することは出来ないとされています。
労働契約法第10条で定める例外とは「変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」場合とされています。
労働者からの合意を得るには、通勤手当を減額する理由の真摯な説明が必要ですし、合意が得られず就業規則の変更による場合には「通勤手当を減額しなければ、経営が立ち行かなくなる」ような、高度な必要性に基づく合理性が必要となります。
通勤手当は、法的には賃金でも、実費弁償的な性格を有しています。そのため、出勤しない日に不支給にすることは合理性があるといえますが、適正な規定が備わっていることが前提となります。通勤手当が賃金である以上、その支給基準は、賃金の決定、計算の方法に当たり、就業規則の絶対的必要記載事項となるからです。
労働基準法附則第136条で、使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、「賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」とされていますが、年次有給休暇の取得によって、通勤手当が日割り等で減額されることを就業規則等に明記しておくことで、年次有給休暇の取得日について賃金を減額することは可能となります。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
通勤手当は、法律で支給が定められているわけではありませんが、通勤手当の支給が労働条件として定められていれば、実費弁償的に算定される出張の旅費等とは異なり、労働の対償として支払われる労働基準法上の賃金となります。したがって、支給条件が定められた通勤手当を、会社が一方的に労働者の不利益となる条件に変更することは、原則として許されません。また、個人ごとの支給に当たっては、通勤しなかった日の取り扱いにも注意を要します。
労働契約法第8条には「労働者と使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することが出来る。」とあります。しかし、その一方、労働契約法第10条で定める例外を除いて、使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することは出来ないとされています。
労働契約法第10条で定める例外とは「変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」場合とされています。
労働者からの合意を得るには、通勤手当を減額する理由の真摯な説明が必要ですし、合意が得られず就業規則の変更による場合には「通勤手当を減額しなければ、経営が立ち行かなくなる」ような、高度な必要性に基づく合理性が必要となります。
通勤手当は、法的には賃金でも、実費弁償的な性格を有しています。そのため、出勤しない日に不支給にすることは合理性があるといえますが、適正な規定が備わっていることが前提となります。通勤手当が賃金である以上、その支給基準は、賃金の決定、計算の方法に当たり、就業規則の絶対的必要記載事項となるからです。
労働基準法附則第136条で、使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、「賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」とされていますが、年次有給休暇の取得によって、通勤手当が日割り等で減額されることを就業規則等に明記しておくことで、年次有給休暇の取得日について賃金を減額することは可能となります。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
投稿者 イケダ労務管理事務所