労務ニュース スマイル新聞

2011年1月 8日 土曜日

平成23年1月8日(第281号)現代うつ

若年層である20歳代から30歳代にみられる「現代型うつ」は、「新型」「非定形型」「未熟型」などのさまざまな呼び方がされています。精神科医の間でも統一した見解がなく、臨床現場でも認識が不十分で対処方法も未確定、特効薬があるわけでもなくケースバイケースでの対応とされています。

従来、うつ病になりやすいタイプと言えば、几帳面で真面目、他人に気を遣い相手に合わせようとする物事にこだわる「メランコリー親和型」で40歳代後半から50歳代に多くみられました。このタイプは、休養や薬物療法によりある程度改善していくと言われています。うつ病の症状も変化し、最近ではこのタイプは少数派になりつつあると言われています。

 従来型と違い「現代型うつ病」の特徴は、(1)自責感や悲壮感が殆どなく、漫然とした抑うつ気分で倦怠感が目立ち、自己中心的な性格が強く、何かうまく行かないと他人のせいにし(2)自分の都合のよい出来事には気分が良くなり(会社にいるときはうつ症状)、休日やプライベートタイムなどはごく普通に過ごしている(3)人間関係への過敏性などが見られ、気分の浮き沈みが激しい、などがあげられます。

 従来型うつと現代型うつでは、全く異なる症状にて同じ様な対応を取ることは難しいとされています。従来型では、真面目で責任感が強い人に症状がでることにより自責感が強いとされているのに対し、現代型では、「上司、同僚が悪い」「会社が悪い」などと考え、休職した場合でも復職への焦りや、仕事に対する切迫感もなく、悪いことばかり目が向く傾向にあります。

 現代型では、本人には悪気がなく、また、周囲に迷惑を掛けている意識すらなく、自分自身典型的なうつ病と思い込んでることもあります。一方、落ち込んだり、気分が優れない、眠れないなどの症状も見られます。

 対応としては、従来型と同様に、休息と投薬を中心とした治療方法を取り、治癒に要する時間をある程度覚悟ください。本人との話では誠実に傾聴し、同意できないことは無理に受け入れず、職場の基本的なルールを丁寧に説明することも必要です。従来型では「『頑張れ』は禁句」と言われていましたが、通用しないこともあり、庇護的、保護的な環境をつくることばかりが良いとは限らないとも言われています。
(スマイルグループ 社会保険労務士)



投稿者 イケダ労務管理事務所

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