労務ニュース スマイル新聞

2009年8月 1日 土曜日

平成21年8月1日(臨 時 号①)...雇用調整にまつわる支出の税務処理①



雇用調整の動きが非正規労働者だけでなく正規労働者にも広がり、企業と従業員等とのトラブルも増えています。雇用調整に伴って支出した各種費用の税務処理について2回に渡って検討します。

1.雇用調整にまつわる費用処理の原則
 雇用調整にまつわる費用について、企業側では、通常、全額が損金算入されます。
一方、従業員が何らかの金銭を受領した場合には、労働の対価としてであれば給与所得、退職によって受けるものであれば退職所得として、課税対象となり源泉徴収の対象となります。「損害賠償金で、心身に加えられた損害に基因して取得するもの」であれば、所得税は非課税となります。

2.内定取消しに伴う一時金(迷惑料)の支払い
  一般的には、「高校や大学の卒業予定者と企業との間に、就労の始期を卒業後としてい
 る場合には、解約権を留保した労働契約が成立したもの」と解され、採用内定を取り消しした企業が、慰謝料(迷惑料)として金銭を支払うと損金額に算入されます。受け取った側は、前項と同じく損害賠償金として、所得税は非課税となります。

3.「派遣切り」による損害賠償金の支払い
  派遣契約期間中の解除を行う場合、派遣先は派遣元に対する損害賠償金の支払いの問題が生じる可能性があります。厚生労働省は、労働者派遣法に基づく「派遣先が講ずるべき措置に関する指針」(平成21年3月31日改正指針公布)において、
・派遣先の責に帰すべき事由により中途解約する場合は、休業等により生じた派遣元の損害賠償をしなければいけないこと
・派遣契約に損害賠償に関する事項を定めることを求めています。
派遣元と派遣先との力関係や、その後の業務への影響を考慮して、実際に損害賠償金が支払われることは少ないかもしれません。法人税法上の損金性は問題ありませんが、消費税では一般的に対価性がないので、課税仕入には該当しません。




投稿者 イケダ労務管理事務所

カレンダー

2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

月別アーカイブ

新着情報

一覧を見る

2012/07/02

職場意識改善への取り組み

2010/12/10

ホームページをリニューアル致しました。

| 採用 | 退職・解雇 | 労働時間・勤怠 | その他 |
(出生時)育児休業申出書[2025年4月対応版]
2025年4月施行の改正育児・介護休業法に対応した従業員が育児休業を申出るための書式サンプルです。
shoshiki100.docx shoshiki100.pdf
   

このコーナーでは、経営者や管理職が最低限知っておきたい人事労務管理のポイントを会話形式で分かりやすく解説していきます。今回は、仕事と介護の両立支援制度を利用する際の家族の要介護状態の判断をとり上げます。>>本文へ

   

4月は新卒の従業員を始め、従業員の入社が多い月となることから、今回は従業員が入社する際に行うべき法的手続きとその留意点についてとり上げましょう。>>本文へ

   

今月は新入社員が入社し、総務担当者にとっては入社に伴う書類を提出してもらうなど多くの業務が重なる時期になります。社内でコミュニケーションを取り業務の調整をしながら進めていきましょう。>>本文へ

>> 用語一覧へ
指導票
労働基準監督官が事業場に対し監督調査等を行い、労働関係法令に明確な違反があるわけではないものの、労働関係法令の趣旨に照らして改善した方が望ましいと思われる事項、後々労働関連法令の違反に繋がる可能性がある事項を改善すべき旨記載し、交付する文書。

令和7(2025)年度雇用保険料率のご案内
2025年度の雇用保険料率のリーフレット
重要度:★★★
発行者:厚生労働省
発行日:2025年2月
nlb1629.pdf

イケダ労務管理事務所
〒607-8034
京都府京都市山科区四ノ宮泓2-1

詳しくはこちら

tel

メールでのお問い合わせはこちら

ご質問等お気軽にご相談下さい。

  • RSS配信
  • RSSヘルプ