労務ニュース スマイル新聞
2009年7月23日 木曜日
平成21年7月23日(第246号)...熱中症の予防
夏も盛りになりました。夏には、毎年熱中症が新聞種になっています。職場で熱中症患者を出さないように、予防対策を進めましょう。
1.職場における熱中症の発生状況
平成20年には17名の労働者が熱中症で死亡しています。4日以上の休業者は300名以上になっています。平成18年~20年の3年間の実績では、仕事を始めてから発症・死亡までの期間はその仕事の初日と2日目で50%を超えています。また、月別では7、8月で全体の80%以上を占めています。業種別では建設業38%、製造業19%、運輸交通業10%、商業6%など、発生場所別では屋外60%、屋内34%などとなっています。
2.WBGT値(暑さ指数)の活用
WBGT値とは暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指数で、専用の測定器があり、計器のレンタルもできます。簡単に言えば気温と湿度を考慮に入れた体感温度とでもいうものです。例えば気温28℃で湿度90%のときWBGT値は30度、気温30℃で湿度65%のときWBGT値は28度、気温32℃で湿度70%のときWBGT値は31度などとなっています。WBGT値25~28度は「警戒」、28~31度は「厳重警戒」31度以上は「危険」とされています。
3.作業管理
(1)作業時間の短縮
作業の休止時間及び休憩時間を確保し、高温多湿環境での連続作業時間を減らす。
(2)熱への順化
作業者には計画的に高温環境への順化期間を設けることが望ましい。高温作業を
中断すると、中断4日目から順化の喪失が始まります。
(3)水分及び塩分の摂取
自覚症状の有無に関わらず、作業前後及び作業中の定期的な水分、塩分の摂取を
指導してください。摂取確認のための表を作成し、作業中の巡視による確認など
により、摂取を徹底するようにしてください。特に高年齢者はのどの渇きに鈍感
になるとされていますので注意が必要です。
(4)服装
熱を吸収したり保熱しやすい服装を避け、透湿性及び通気性の良い服装を着用さ
せてください。直射日光下では通気性の良い帽子等を着用させてください。
4.健康管理
糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、精神・神経関係の疾患、広範囲の皮膚疾患など、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある病気の治療中の労働者には、産業医や主治医の意見を聴いて就業場所の変更、作業の転換などの適切な措置を講じてください。
(スマイルグループ 社会保険労務士)
投稿者 イケダ労務管理事務所