労務ニュース スマイル新聞
2008年10月 8日 水曜日
平成20年10月8日(第227号)...ゴーイング・コンサーンってどんなこと?
最近、新聞紙上で「ゴーイング・コンサーン」って言葉を見かけますね。一体、どんな意味なんだろう?簡単に言うと「事業の継続性」ってことです。なんや、当り前のことやないか、ってことになりますが結構奥が深い言葉なんですよ。
1.経理処理の前提
経理処理は、この「ゴーイング・コンサーン」を前提として、行うことになっています。例えば、会社で売っている商品は、正常な状態で売るからその価格が成り立ちますが、「店じまい」なんて出ていると大幅に価格ダウンして売っているのと同じで、倒産!なんてなるとその会社の売る商品は相当価格ダウンしないと売れませんし、ましてや、使っていた機械等はそれこそスクラップ同然の二束三文になってしまいます。ですから、会計上の資産は、事業が今後も継続して運営されることを前提としてその評価の仕組みが成り立っているといえます。
2.上場企業のゴーイング・コンサーン
新聞紙上に取り上げられている事例は、株式を上場している企業の株主等への報告書のそのコメントが付いたときです。どんな場合にそのコメントが付けられるかというと、赤字決算が3年も4年も続き、お金の流れ(キャッシュ・フロー)もやっと銀行からの借り入れでまかなっているような会社で、もし、銀行が貸出をストップすると資金が回らなくなって倒産、すなわち、「ゴーイング・コンサーン」の会社でなくなってしまうような場合に付けられます。株主は、このコメントを見て株式を買うか、売るかの判断に役立てることになります。厳しいですね、自ら事業経営が成り立たなくなる可能性があることをコメントする訳ですから。
3.中小中堅企業も同じ
以前212号では、「車の両輪」というテーマで書きました。利益も資金も事業を継続していく(ゴーイング・コンサーン)ためにはどちらも欠かせないということをお知らせしました。株式公開企業だけでなく、中小中堅企業もこの「ゴーイング・コンサーン」ということはとても大切なことです。さて、あなたの会社は、しっかり事業計画を立てていますか?あなたの後継者は、喜んであなたの事業を継続してくれますか?
さあ、しっかり、利益と資金を確保できるように経営をしましょう。
(スマイルグループ 公認会計士)
投稿者 イケダ労務管理事務所