労務ニュース スマイル新聞

2007年6月 8日 金曜日

平成19年6月8日(第195号)...これからの法改正と就業規則



今春、国会は「労働法制国会」と言われるだけあって、先日成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律案」のほか、「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律案」「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案」「労働基準法の一部を改正する法律案」「最低賃金法の一部を改正する法律案」など、雇用や労働時間、賃金などに関連する法案が、厚生労働省より多数提出されています。
今後の動向が注目されている法案のひとつに、「労働契約法案」があります。同法案で最も問題視されているのが、就業規則の改定で労働条件の内容を変更できるとする新しいルールの法則化です。
労働契約法案に記載されている「労働契約の内容と変更(第8条から第11条までの関係)」では、「労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」と原則を述べています。そのうえで、変更後の就業規則を労働者に周知させていた場合で、労働条件の変更等が合理的であるとき(後述)は、「変更後の就業規則に定めるところによるものとする」とする、就業規則の不利益変更における例外規定を明記しています。
現行制度では、必要性に基づいた合理的なものに限って労働条件の変更を有効とする、就業規則の不利益変更法理が成立していましたから、労使それぞれに大きなインパクトを与える内容です。
「合理的」の判断基準
労働条件変更の要件について同法案10条では、次の4点を判断要素とする、としています。
(1)労働者の受ける不利益の程度
(2)労働条件の変更の必要性
(3)変更後の就業規則の内容の相当性
(4)労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情

 就業規則は、いわば会社の憲法です。就業規則にも「改憲」ルールができるのかどうか、今後もしっかり注目していくべきでしょう。



投稿者 イケダ労務管理事務所

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