労務ニュース スマイル新聞
2006年8月 8日 火曜日
平成18年8月8日(第175号)...社会保険労務士と労働争議
従来、社会保険労務士法第2条第1項第3号かっこ書き及び法第23条の規定により、社会保険労務士は労働争議に介入することを禁じられてきました。ところが、平成17年の法改正によって「労働争議に介入することになるものを除く」という、上記の条項が削除されました。
従来でも、労働協約の締結等のために団体交渉の場に当事者の一方の委任を受けて当事者の一方と共に出席し交渉することは、法第2条第1項第3号に規定する相談・指導の業務に含まれるものであり、労働争議に介入することとならない限り 許されるとされて来ました。
ところで、「労働争議に介入すること」とは
労働争議が行なわれている時、或いはまさに行われようとする時に、
①当事者の一方の行なう争議行為の対策の検討、決定に参与すること
②当事者の一方を代表して相手方との折衝に当たること
③当事者の間に立って交渉の妥結のためあっせん等の関与を為すこと
等に限られるとされていました。
平成18年3月1日付の「社会保険労務士法の一部を改定する法律について」の厚生労働省通達では、上記の①のみが記述され、②及び③については曖昧になっています。
これにより、今後、社会保険労務士は
労働協約の締結等における、或いは労働争議における団体交渉の場に、当事者の一方の委任を受けて当事者の一方と共に出席し交渉することができる。
しかし、当面、
(a)当事者の一方を代表して相手方との交渉に当たること
(b)当事者の間に立って交渉の妥結のためあっせん等の関与を為すこと
は、まだ認められていないことになります。
事業主の方々は社会保険労務士の仕事の範囲が広がっていることをご認識の上、効果的にご利用頂くようお考え下さい。
投稿者 イケダ労務管理事務所