労務ニュース スマイル新聞

2005年11月 8日 火曜日

平成17年11月8日(第157号)...営業秘密の保護強化-不正競争防止法改正の概要-



営業秘密の侵害行為や模倣品・海賊版によるブランド価値等の侵害行為に対する措置を拡充し、適正な競争環境を維持するために不正競争防止法が改正されました。

◆改正のポイント:営業秘密の保護強化 平成17年改正 平成17年11月1日から施行
○営業秘密の国外使用・開示処罰の導入
日本国内で管理されている営業秘密について、日本国外で使用又は開示した者を処罰の対象
営業秘密が関係する民事訴訟における裁判所の秘密保持命令に日本国外で違反した者も処罰の対象
○退職者の処罰の導入
元役員・元従業員による媒体取得・複製を伴わない営業秘密の不正使用・開示について、在職中に申込や請託があるようなケースも処罰の対象
◆営業秘密とは?
 不正競争防止法では、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」とされており、例えば、アクセス者を限定して保管されている設計図や顧客名簿、販売マニュアル等で一般的に入手できないものをいいます。
◆営業秘密として保護されるためには?
 ①秘密管理性②有用性③非公知性の3つの要件を満たさなければ、誰かが無断で利用しても不正競争行為として差し止めたり、損害賠償請求することはできません。
 秘密管理性とは、アクセスできる者を制限したり、秘密情報である旨の表示(例えば、㊙と書類に表示する等)をしたりすることにより、情報が客観的に秘密として管理されていると認められている状態にあると言えますから、企業としては、個人情報保護と同様の物理的技術的管理・人的法的管理措置を講じる必要があります。
◆罰則の見直し・法人処罰の導入
 不正競争防止法違反の罪について、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金から、原則として、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に引き上げるとともに、懲役刑と罰金刑の併科規定を導入
 営業秘密にアクセスする権限がない者が行った営業秘密侵害罪の犯人の属する法人について、法人処罰(1億5,000万円以下の罰金)を導入。企業としては、管理体制を強化し注意義務を尽くす必要があります。したがって、中途採用者などを採用する企業は、十分注意が必要です。

営業秘密に関する物理的技術的管理・人的法的管理については、お気軽にお問い合わせください。
                   (スマイルグループ 社会保険労務士)



投稿者 イケダ労務管理事務所

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