労務ニュース スマイル新聞

2004年9月23日 木曜日

平成16年9月23日(第130号)...~従業員の心の病~


8月20日に発表された「産業人メンタルヘルス白書」によりますと、約6割の企業で、「心の病」にかかる従業員が増加傾向にあると回答しています。特に30代という働き盛りの年齢層が半数を占めている状況です。また、約7割の企業が1ヵ月以上休職をする従業員が存在していると回答しています。今後は従業員の心の健康にも気を配らないと、企業経営に影響を与えてしまう可能性があります。
では、企業としてどのような対策を取ればいいのでしょうか。まずは不調者を出さないという事に重点をおく必要があります。つまり、「不調者・病人の早期発見・早期治療」より「労災・事故等の発生防止」「疾病予防・健康の保持増進」に力を入れる必要があるのです。そうすることにより、不調者の増加・休職日数の増加を抑制する事になります。今後は安全衛生委員会等で、従業員の心のケアについても議論されることをお勧めします。

次に、長期休業している従業員の対策についてですが、多くの企業が就業規則等で「休職が長期におよび職場復帰の見込みがない者は退職とする」と定めていると思います。しかし、従業員が納得した退職に持っていくのは、実際にはなかなか難しいものです。そこで従業員の障害年金受給を積極的に支援することも考えましょう。あまり知られていないことですが、うつ病でも障害年金が支給されます。しかも、長期の休業をしているという事は、その旨の診断書を会社に提出しているはずです。労働に制限を加える、もしくは労働することが困難と証明されますと年金の支給対象になることがあります。そこで、会社としては年金の受給を支援したという誠意を示し、且つ、年金が支給されるという事は国が働けないと認定したという事実を持って、従業員に退職を促されると良いと思います。そうすることにより、労使紛争に発展する危険性を排除できると思われます。



投稿者 イケダ労務管理事務所

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