労務ニュース スマイル新聞

1999年8月 8日 日曜日

★第7号(8/8)就業規則の制定及び正しい運用の必要性★

1.就業規則とはどのようなものか?
 就業規則とは、事業場における労働条件や服務規律等が統一的、具体的に定めてある規則集のことであり、その事業場にとって最も重要で基本的な事柄が定めてあるものです。
単に事業場内で通用する内規ではなく、労働基準法その他関係法令に規制され、何かトラブルがあれば司法及び行政によって正しく作成及び運用がなされているか判断される、ある種公的な規則なのです。

2.なぜ就業規則の制定及び正しい運用が必要なのか?
 労使間でトラブルとなっている主なものは、懲戒、退職、賃金・退職金の不払いに関するものです。そしてそれらのトラブルについて使用者側が負ける場合が多々見受けられるのです。それはどうしてか?それは
  ①就業規則自体がない
  ②就業規則に不備がある
  ③就業規則があっても正しく運用されていない
の3点が考えられます。

 例えば「懲戒」においては、使用者が企業秩序違反行為を理由として労働者に対し制裁罰である懲戒を課す権利(懲戒権)の行使は、就業規則に定められた規定(内容的に合理性が有ると認められるもの)に基づいてのみ有効であるとされています。
さらに、同じ規律に違反した場合は同程度の処分が行われること、就業規則所定の懲戒手続に違反する処分は許されないこと、就業規則の懲戒規定は制定前の行為には適用されないこと等のルールもあります。

 つまり、「懲戒」は懲戒規定が就業規則に正しく制定されており、そして正しく公正な手続が行われて初めて有効となるのです。

3.就業規則制定の薦め
 使用者が行った行為が否定され、場合によっては損害賠償を行わなければならないという事態を回避するため、就業規則の制定及び正しい運用というリスクマネジメントは大変重要です。
この機会に、就業規則の制定をお薦めします。
そして、正しい運用については、ぜひ労働法の専門家、社会保険労務士にご相談ください。


投稿者 osaka-genova.co.jp

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